人の脳ってすごいんです(2)

 




脳内に医者がいる

シナプスをつなぎ、脳のネットワークを作るのは、しかしながら、自分の意思や思考だけでできるのではありません。

例えばものすごく熱い物を触った時の条件反射は、意思や思考でなく、生命維持のための本能。

同じように生命維持の脳の一つの機能として、「ミクログリア細胞」の働きがあります。

ミクログリア細胞は、死んでしまったニューロンを除去したり、ニューロンを修復する機能を持ち、脳内の医者と言われています。

出典:自然科学研究機構



けれど一方で、ミクログリア細胞が、正常なニューロンを殺してしまうことがあるそうです。

また、ミクログリア細胞が原因で、慢性疲労を感じる可能性も示されています。


脳の中のお医者さん「ミクログリア細胞」の働きを解明
|自然科学研究機構|

https://www.jst.go.jp

ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる
|京都大学|

https://www.kyoto-u.ac.jp

脳の免疫系を担うミクログリア
|日経サイエンス|

https://www.nikkei-science.com



なぜそんなことが起きるのか?理由はまだ解明されていません。

私なりにミクログリア細胞のしわざについて、こう考えました。


自分自身のミクログリア細胞が
ニューロンの修復を行ない
シナプスをつなげようとする。

それにも関わらず、自らが
ネガティブな思考や行動を改めることなく
ストレスを感じ続ける。

ならば、“この脳の主は一個の生物として
シナプスが途切れることを良しとしている”
と細胞核に情報が刻まれる。

その結果、ミクログリア細胞は
正常なシナプスまで攻撃し始める。

人は動物、自然の一部。

自然な生命のメカニズムは
うまくできている。

弱い生命力は自然淘汰されていく。



細胞やシナプスは、タンパク質や色んな栄養素でできています。その栄養や休養が不足し、適度な運動を怠り、あるいは身体を酷使し過ぎると、脳の各分野のバランスが崩れ、脳の健康が損なわれるのは、当然のように思います。



脳はある意味、スゴイあほ、でもスゴイ賢い

以前、あるテレビ番組で誰かが、『俳優の大竹しのぶさんは、舞台の芝居で顔の半分がただれる役をした時に、本当に肌がただれてきた』と話していました。受け売りの情報で真偽は不確かです。

けれど、私はあり得ると思いました。

子供が、何か、したくない事がある時に、お腹が痛いと言っていると本当にお腹が痛くなるように。

脳の細胞は、自分の感情や思考が直結しています。自分の脳が自分に逆らって行動を起こすことは、本来、あまりなく、脳は自分自身に素直に従います。

そうやって生き続けてきたヒトとしての歴史は何万年。

ヒトが人としてこれだけ永く生き伸びているのですから、簡単には解明できないほど、脳には複雑で賢明な仕組みがあることも、また当然で自然のこと、と思います。


脳のカタチは人それぞれ

シナプスの数や大きさ、シナプスのつながりやすさは多かれ少なかれ、おそらく先天的に違っています。そもそも、同じ刺激を受けても、その刺激を楽しいと思うかどうか、捉え方や反応は、個々に違います。

ヒトの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)はみな違い、
例えば、芸術家は微妙な色の違いを見分けることができます。

でも芸術家も、音楽家も、訓練をやめると、その感覚は鈍くなります。

どんな大人でも、いつも脳の使い方や使う部分が同じで、思考や行動パターンが習慣化されていると、新たにネットワークを広げることが、もはや簡単にはできなくなります。

けれど、年齢に関係なく色んなことに興味を持ち、シナプスが増えると、頭の回路がつながり、感覚(センス/sense)は鍛えられて鋭くなります。


子供が学校で勉強するのは脳のシワを増やすため

脳は、大きさの限られた頭蓋骨の中で、シワくちゃになり収まっています。

人が知識や知恵を増やし、シナプスが増えるほど、軟らかい脳ミソは硬い頭蓋骨に収まろうとして、脳のシワがより多く深くなっていきます。

脳のシワが多いほど賢い、と聞くと、なるほどそういうことかと納得できます。

その脳のシワが、子供の時ほど出来やすいのは、子供の脳は柔軟性があり、文字どおり軟らく、シワになりやすいため。

だから、柔軟な脳を持つ子供の時に、学校へ行き勉強します。

「なんで学校へ行かなあかんの?」「英語なんか使えへんのに、なんで勉強せなあかんの?」という子どもたちに、ぜひ知ってほしい。

学校で勉強する理由は、脳全体に、バランス良くシワを増やすため!

国語・算数・理科・社会・音楽・美術・保健体育・家庭科・技術・英語を勉強することによって、脳それぞれの部分を使い、脳全体の分野を働かせることになります。

本来、学校教育は上手く構成されています。

だから授業で、暗記することばかりに脳が使われ、自分自身で考える習慣をつけないでいると、ネットワークに偏りができ、健全な脳の育成ができなくなります。

各教科を学ぶ時に、子供達が色んなことを感じ、考え、行動し、脳の各分野に刺激を与え、脳の各分野でシナプスが増大するように、教育指導が考えられてほしいと切に願います。


認知症は、遺伝でも運命でもない

絵の教室をしていると、ボケ防止のために絵を習い始めたという声を聞きます。

一方で、「何をしようが認知症は‘運命’のように、いずれ迫り来る」と思っている人がいるかもしれません。

違います!認知症は、遺伝や運命によって起きるのではありません。

認知症に「なりやすい人」と「なりにくい人」を分ける、「習慣」の決定的な違い
|ダイヤモンド・オンライン|

https://diamond.jp/



出典:公益財団法人認知症予防財団


良い刺激を受けなくなり、つながっていたシナプスが途切れた脳は、シワが減ることになります。認知症や鬱の人の脳は、シワが少なく、隙間ができ、萎縮しています。

医師や教師が、定年後に認知症になる話を聞くと、より確信します。

いつも同じことだけに脳を使っていれば、使わない脳の分野にはシナプスは途切れ、情報伝達が十分にできなくなる、つまり、ボケてしまう

折角、優れた脳を持っていても、その機能を生かすも殺すも自分次第なんだな、と。