脳内に医者がいる
シナプスをつなぎ、脳のネットワークを作るのは、しかしながら、自分の意思や思考だけでできるのではありません。
例えばものすごく熱い物を触った時の条件反射は、意思や思考でなく、生命維持のための本能。
同じように生命維持の脳の一つの機能として、「ミクログリア細胞」の働きがあります。
ミクログリア細胞は、死んでしまったニューロンを除去したり、ニューロンを修復する機能を持ち、脳内の医者と言われています。
けれど一方で、ミクログリア細胞が、正常なニューロンを殺してしまうことがあるそうです。
また、ミクログリア細胞が原因で、慢性疲労を感じる可能性も示されています。
脳の中のお医者さん「ミクログリア細胞」の働きを解明
|自然科学研究機構|
https://www.jst.go.jp
ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる
|京都大学|
https://www.kyoto-u.ac.jp
脳の免疫系を担うミクログリア
|日経サイエンス|
https://www.nikkei-science.com
なぜそんなことが起きるのか?理由はまだ解明されていません。
私なりにミクログリア細胞のしわざについて、こう考えました。
と細胞核に情報が刻まれる。
自然な生命のメカニズムは
うまくできている。
細胞やシナプスは、タンパク質や色んな栄養素でできています。その栄養や休養が不足し、適度な運動を怠り、あるいは身体を酷使し過ぎると、脳の各分野のバランスが崩れ、脳の健康が損なわれるのは、当然のように思います。
脳はある意味、スゴイあほ、でもスゴイ賢い
以前、あるテレビ番組で誰かが、『俳優の大竹しのぶさんは、舞台の芝居で顔の半分がただれる役をした時に、本当に肌がただれてきた』と話していました。受け売りの情報で真偽は不確かです。
けれど、私はあり得ると思いました。
子供が、何か、したくない事がある時に、お腹が痛いと言っていると本当にお腹が痛くなるように。
脳の細胞は、自分の感情や思考が直結しています。自分の脳が自分に逆らって行動を起こすことは、本来、あまりなく、脳は自分自身に素直に従います。
そうやって生き続けてきたヒトとしての歴史は何万年。
ヒトが人としてこれだけ永く生き伸びているのですから、簡単には解明できないほど、脳には複雑で賢明な仕組みがあることも、また当然で自然のこと、と思います。
脳のカタチは人それぞれ
シナプスの数や大きさ、シナプスのつながりやすさは多かれ少なかれ、おそらく先天的に違っています。そもそも、同じ刺激を受けても、その刺激を楽しいと思うかどうか、捉え方や反応は、個々に違います。
ヒトの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)はみな違い、例えば、芸術家は微妙な色の違いを見分けることができます。
でも芸術家も、音楽家も、訓練をやめると、その感覚は鈍くなります。
どんな大人でも、いつも脳の使い方や使う部分が同じで、思考や行動パターンが習慣化されていると、新たにネットワークを広げることが、もはや簡単にはできなくなります。
けれど、年齢に関係なく色んなことに興味を持ち、シナプスが増えると、頭の回路がつながり、感覚(センス/sense)は鍛えられて鋭くなります。
子供が学校で勉強するのは脳のシワを増やすため
脳は、大きさの限られた頭蓋骨の中で、シワくちゃになり収まっています。
人が知識や知恵を増やし、シナプスが増えるほど、軟らかい脳ミソは硬い頭蓋骨に収まろうとして、脳のシワがより多く深くなっていきます。
脳のシワが多いほど賢い、と聞くと、なるほどそういうことかと納得できます。
その脳のシワが、子供の時ほど出来やすいのは、子供の脳は柔軟性があり、文字どおり軟らく、シワになりやすいため。
だから、柔軟な脳を持つ子供の時に、学校へ行き勉強します。
「なんで学校へ行かなあかんの?」「英語なんか使えへんのに、なんで勉強せなあかんの?」という子どもたちに、ぜひ知ってほしい。
学校で勉強する理由は、脳全体に、バランス良くシワを増やすため!
国語・算数・理科・社会・音楽・美術・保健体育・家庭科・技術・英語を勉強することによって、脳それぞれの部分を使い、脳全体の分野を働かせることになります。
本来、学校教育は上手く構成されています。
だから授業で、暗記することばかりに脳が使われ、自分自身で考える習慣をつけないでいると、ネットワークに偏りができ、健全な脳の育成ができなくなります。
各教科を学ぶ時に、子供達が色んなことを感じ、考え、行動し、脳の各分野に刺激を与え、脳の各分野でシナプスが増大するように、教育指導が考えられてほしいと切に願います。
認知症は、遺伝でも運命でもない
絵の教室をしていると、ボケ防止のために絵を習い始めたという声を聞きます。
一方で、「何をしようが認知症は‘運命’のように、いずれ迫り来る」と思っている人がいるかもしれません。
違います!認知症は、遺伝や運命によって起きるのではありません。
認知症に「なりやすい人」と「なりにくい人」を分ける、「習慣」の決定的な違い
|ダイヤモンド・オンライン|
https://diamond.jp/
出典:公益財団法人認知症予防財団
良い刺激を受けなくなり、つながっていたシナプスが途切れた脳は、シワが減ることになります。認知症や鬱の人の脳は、シワが少なく、隙間ができ、萎縮しています。
医師や教師が、定年後に認知症になる話を聞くと、より確信します。
いつも同じことだけに脳を使っていれば、使わない脳の分野にはシナプスは途切れ、情報伝達が十分にできなくなる、つまり、ボケてしまう。
折角、優れた脳を持っていても、その機能を生かすも殺すも自分次第なんだな、と。


